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映画【天外者】ネタバレ感想!三浦春馬の素晴らしい演技に感動と拍手!

三浦春馬さんの最後の作品として公開されることになり、大反響を呼んだ映画「天外者」。

待ち望んでいた作品が、2020年12月11日に公開され、早速観に行って来ました。

2時間に及ぶ作品のネタバレ感想をまとめました。

映画「天外者」ができるまで

天外者(てんがらもん)は、鹿児島弁で、「すごい才能の持ち主」という意味です。

そして、天外者は五代友厚の一生を描いた映画なのですが、五代友厚の名前は教科書にも無く、その名前を知る人も五代友厚の功績を知る人も、現在では少ないようです。

時代の変革、経済の成長、日本の発展に命をかけた五代友厚。

五代友厚の想いや志を後世に引き継ごうと、製作総指揮の廣田稔さんが2013年にプロジェクトを発足し、7年の歳月をかけて映画化されたのがこの「天外者」です。

五代友厚

●1836年(天保6年)薩摩藩士の家に次男として生まれる

●1857年 勉学を学びに長崎へ行く。そして勝海舟(かつかいしゅう)と出会う。*勝海舟とは江戸幕末〜明治初期の武士。

●1863年 薩英戦争でイギリス軍に捕縛される

●1865年 ヨーロッパ各地を訪問(イギリス・フランス・ロシア・ベルギー・オランダ)

●1868年 大阪税関の初代税関長になる

●1878年 大阪株式取引所・大阪商法会議所を設立

●1881年 大阪青銅会社(住友金属工業)・関西貿易社を設立

●1882年 共同運輸会社を設立

●1885年 49歳の若さで死去

武士の時代、誰もが着物を着て刀を身に着けていた頃から、勉学に励み英語を身に付け、進んでいる海外の国々に目を向け進出。

「誰もが夢の持てる時代へ」という思いを貫き、誰よりも早く短髪にし、洋服を身に着け改革を起こしたのが五代友厚です。

日本一の嫌われ者となりながらも、誰よりも日本を守ろうとする気持ちを持ち、命をかけて時代を変えた五代友厚の生涯を描いた作品です。

映画「天外者」ネタバレ感想

三浦春馬さんの遺作ということに興味を持ち、最後の演技とはどのようなものだったのかを見に行きました。

時代劇のような始まりで、決して華やかではない演出でしたが、三浦春馬さんの演技力にどんどん引き込まれていきます。

歴史上の人物としてあまり知られていない五代友厚ですが、坂本龍馬、伊藤博文、岩崎弥太郎を友にもち時代を共にしています。

幕府が領土を広め権力を争う時代に生きながら、「学問の大切さや平等に生きれる時代、男女関係なく誰もが夢を持てる時代にする。」という強い思いを持った人物がいたことに衝撃を受けました。

そして、いつの時代も新しいことを始める人には味方がいなくて全く理解されないこと。

失敗し、敵だらけになり、命が危うくなったときでも諦めることなく突き進む姿は、何事も簡単ではなく年月がかかること、諦めてしまうとそこで全てが終わってしまうこと、何も変わらないことを教えてくれるかのようでした。

友の死があり、親兄弟にもにも理解されない、大切な人を守ることもできない歯痒さも描かれています。

見せたかった時代になるまでには、程遠いのですが五代友厚は荒れ果てることなく、常に実直で冷静。

いつの時代もやはり、視野が狭くならない冷静さは必要で大事だということですよね。

常に方法を探し、自分のすべてを犠牲にしても、「誰もが夢を持てる時代」という熱い思いは画面からも伝わり、現在の日本ともかぶるような感覚でした。

地位か、名誉か、金か、

いや大切なのは目的だ。

五代友厚

経済改革にも大きく貢献し、誰一人味方がいない大阪の地で自由に商売ができるように革命を起こしました、そして改革を起こしてくれたおかげで、日本の発展が早まったんです。

今の日本に通じる、この事実を知れただけでも有り難くてよかったです。

しかし当時は、家族がいる中すべてを犠牲にしても「私腹を肥やしている」と誤解されたままで、理解者が全くいない状況。

これは、かなりせつなくなり胸が締め付けられる場面ですが、現実に起こったとしたら、物事が大きければ大きいほど、すぐに理解できるのもではないのかも知れません。

でも、「一人一人が、みんなが良くなるためにはどうすればいいか、を考えることで世の中は変わるんだよ。」と教えてくれているようでした。

五代友厚は、自分の生涯を「誰もが夢を持てる時代」の改革に捧げ、49歳の若さで亡くなります。

改革を続けた大阪の地では、まだ五代友厚のことが理解されていないと思っていたのですが、お通夜の日、全ての人が仕事を休み、4900人以上の人々が五代友厚のお通夜に参列したんです。

死んでしまったから理解される虚しさと悔しさ、でも心の底から良かったと思える瞬間でした。

妻と子供二人、残ったのは多額の借金だけだったようです。

五代友厚の改革のおかげで今の日本があります、繋いでくれたこの思い、大それた事ができなくても思いやりを持って、「誰もが夢を持てる国」にしていけたらいいなと思わせてくれた映画でした。

映画「天外者」は三浦春馬しか演じられなかった

天外者キャスト

五代友厚●三浦春馬

坂本龍馬●三浦翔平

伊藤博文●森永悠希

はる●森川葵

五代豊子●蓮佛美沙子

岩崎弥太郎●西川貴教

五代友厚の父●生瀬勝久

五代友厚の母●筒井真理子

演技力もある豪華なキャストでした。

撮影のときには三浦春馬さんが率先して、いい環境を作っていたようです。

この作品にはかなりの思い入れがあったとも言われていました。

三浦翔平さんが言われている「三浦春馬くんがいたからこそできた坂本龍馬だと思っています。」

蓮佛美沙子さんの「春馬くんの目を見れば、絶対大丈夫と思えるような。」

西川貴教さんの「中心で春馬ががんばっている姿がみんなの励みになっていた」

森川葵さんの「三浦さんのことを話すと笑顔に」という言葉。

共演した方々の言葉からも、率先して撮影に取り組んでいた様子がうかがえます。

演技の方でも三浦春馬さんのひたむきな頑張りが現れていて、共演者の皆さんが一体となって作品に挑み、良いものに仕上がっている感じがします。

共演者を引き立てながら、三浦春馬さんの演技も素晴らしいものでした。

映画が始まってすぐに「五代友厚」と一体化しているのか、五代友厚になりきっているというよりも、五代友厚そのものでした。

この作品に込められた思いや志は、三浦春馬さんの志と共通するところがあったのではないでしょうか。

三浦春馬さんは長年、Act Against AIDS「THE VARIETY」寄付チームに参加し、実際にラオスに出向いて現地の様子を日本に持ち帰り、インフルエンサーとなって日本で伝える活動を続けていました。

自分にできることを考え、行動し、みんなが良くなるように願っていたのではないでしょうか。

その分この作品に対しての思い入れが強く、五代友厚そのもののように演技ができていたように思います。

数年かかったこのプロジェクトは、共演者の皆さんに出演の声をかけたのも三浦春馬さんだったようです。

三浦春馬さんが自ら選び、率先したこの作品、この五代友厚は間違いなく三浦春馬さんにしか演じられない役柄だったと思います。

まとめ

とてもいい映画でした。

日本の歴史がわかり、現代社会とかぶる部分や、いつに時代にも変革者がいて大きな改革を起こしても理解されない現実。

でも、その人達が諦めていたらもっと遅れていたかも知れない日本。

小さなことでもみんなが意識することで、良い方向に向かうかも知れませんね。

映画が終わると、エンディングとともに誰からともなくみんなが拍手をしていました。

感じたことはそれぞれ違うと思いますが、この映画を通して三浦春馬さんやプロジェクトチームのみなさんが伝えたかったことは伝わっているのではないかと思えた瞬間でした。

製作総指揮の廣田稔さん率いるプロジェクトチームの皆さんと、素晴らしい演技を見せてくれた三浦春馬さんに感謝します。

たくさんの人に見てもらいたい映画です。